徒然に草生やしてみる 其の二

ふっさんこったのっし な話

「あ、お久しぶりですね」

旦那にこう言われるのは久しぶりに丁寧な化粧を施した時。

では少し前、ずっと一緒に居たのは誰だったんだと。

「ああ、お義父さん?奇しく洗濯物なんか干してどうしたのかなと思って」

それは嫁です。それもアタシも同一人物、あなたの嫁です。そもそも同居なぞしていないでしょうに。

「オレ最近親父に似てきてさ」なんて話をよく聞きますが、私もその一人。

広い額(現在、父の額は頭との境目がなくなり無限に広がりましたが)目鼻立ち、撫肩の佇まい。ふと撮られた横顔は、ドキリとするほど…いやいや、やめて。もう、言わないで。

時代や時の流れの中、人は徐々に性別の壁を超越していくのだと思う。私だって色々、自分の限界や性別を超えて成長していきたい。でも、もうちょっと暫く女でいても良いかな。と、用もないのに念入りに塗装してみたりして…。